東京フルスロットル

英語と地理と歴史を駆使したコンテンツが好きだったんですがもう仕事に毒されてしまったのです。

大好きだったTABILABOが最近なぜか面白くない

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俺はかつてTABILABOの熱烈なファンであった。そう、昔の話である

   

TABILABOに初めて出会ったのは自分のfacebookのタイムライン上であった。綺麗な写真に彩られた記事は「◯◯の理由」など、読みそそられるタイトル付けが施されていた。見出し、サイトデザインともに、素人の俺でもアホみたいにクールだとわかるよ!!と思わせてくれる。このメディアにハマってる俺もクールだぜ!!なんか毎日イケてるぜクールだぜ!!旅出たいわTABILABOっちゃうよおおんと思わない日はなくなった。

 

それでも、いまは全くTABILABOの記事を閲覧しなくなってしまったのだ。本稿では

  • TABILABOに魅了された2つのきっかけ
  • TABILABOが好きすぎてやってしまった2つのこと

  • なぜTABILABOを見なくなったのか

の3つをお送りする。

 TABILABOよ、永遠に。

TABILABOに魅了された2つのきっかけ

TABILABOのコンテンツが俺を「意識を大気圏の高度へ」と煽ってくれていたような気がした。そのコンテンツは意識高い人々の価値観や生活習慣を取り上げたもの、そしてなにより海外旅行への道を切り開いてくれたものなどだった。俺はTABILABOのおかげで海外旅行のおもしろさや、それに必要なノウハウを欲するきっかけを形成することができたのだ。

それら旅系コンテンツについて2つほど紹介したい。

1. Airbnbとの出会い

AirbnbのPR記事がとても秀逸であった。一般的なwebメディアのPRは胡散臭さをぬぐいきれないか、露骨なまでの「不自然さ」あふれた言わばアートの類である。しかしTABILABOでみたAirbnbのPR記事だけは、ためになるどころか読んだ瞬間にアカウント作成にまで手を進めるほどであった。いま思えばTABILABOサイト内のコンテンツと世界観、そしてAirbnbの目指すビジョンや訴求力がかつて見たことがないほどの化学反応を起こしていたのではないだろうか思う。もはや媒体とコンテンツの相性が良すぎてPR記事であることすら忘れてしまったほどだった。

 

2. skyscannerとの出会い

skyscannerという航空券検索サービスとの出会いも発端はTABILABOであった。このコンテンツは様々な航空券およびホテル検索サービスの活用をテーマにしていたかと思う。TABILABOのおかげで意識の高さが成層圏にまで達していたであろうタイミングにAirbnbのPR記事に出くわし、導かれるかのごとくskyscannerとも対面したのであった。

俺は無我夢中で自分の旅先を探した。まずはAirbnbで魅力的な物件を探し、そこにたどり着くのに必要な航空券をskyscannerで調べるのである。1円でも安く、そして長時間のトランジットも旅の醍醐味として、まだ見ぬ地に想いを馳せていたのであった。

 

こんなワクワクに心踊らされたのは久しぶりであった。俺は完全にTABILABOのファンとなったのだった。

   

TABILABOが好きすぎてやってしまった2つのこと

それからというもの、俺の生活はTABILABO中心であった。言いすぎた。朝昼夜の記事更新時には必ずサイトに訪問していたし、いいね!もしまくった。自分のこの感動が他の誰かにもシェアされればと、純粋に信じていた。

その想いがあふれた先について2つ紹介したい。

 

1. WordPressを利用してTABILABOっぽいサイトを作った

好きすぎるとマネしたくなるのが人情だろう。

俺はWordPressでTABILABOが採用しているであろうテーマ(デザインテンプレート)を利用してブログサイトの構築に手を染めてしまった。レンタルサーバーはさくらを選んだのは、実に手ぬかりがあったとは思うが、とにかくTABILABOのようなサイトが作りたかったのである。

そうしてコンテンツも「◯◯な理由」「いますぐ◯◯すべき」などをふんだんにこしらえては自己満足に浸った。このころは承認欲求というものは微塵も感じることなく、とにかく自分とサイトをTABILABOに一体化させたいほどだったのだ。おそろしいまでの狂人ぶりであった。 

2. TABILABOライターにまで応募

もう自分のTABILABOへの情熱はTABILABOへの事実上の愛の告白まで完遂させてしまった。

ときどきサイト記事に「ライター・編集者募集」の記事が踊っているが、それを見た俺はさらに踊り狂ったのであった。目の前に狂おしいほど愛おしいTABILABOへの道が開かれていたのだ。すかさず応募したのはもちろんのこと、大学の友達が必死に就活のエントリーシートを仕上げている傍ら、俺はというとTABILABOへの愛を応募フォームに注ぎ続けたのであった。その手がその筆が、高濃度の二酸化炭素に、灼熱の大地にごとく、あふれんばかりの熱量を刻んでいったのである。届きはしないのに。

 

「TABILABOがおもしろくない」についての考察

ちなみにTABILABOへの愛の告白に対する返事はまだ届いていない。あの告白から早1年余りの時が流れた。切ないものである。しかし俺は可愛さ余って憎さ百倍となる事態には陥っていない。むしろ書き手としての修行が必要だと心得るきっかけとなった。

したがって、自分の行きばのない愛に気をおかしくしてTABILABOを見なくなったわけではない。

 

おれはしばらく考えてみた。なぜTABILABOをみなくなったのだろうか。

答えはTABILABOサイトに見つけた。

TABI LABOは海外で話題になっているトピックを中心としたキュレーションメディアとしてスタートしましたが、メディアとして成長するに伴い、発信するコンテンツも幅広くなっています。

現在では、国外のトピックだけでなく、国内の話題や新製品情報をキュレーションしてコンテンツを制作することもあります。また、プレゼントパブリシティや著名人へのインタビューなども積極的に行っています。

引用:http://tabi-labo.com/contents-policy/

そう、発信するコンテンツの幅が広がったために、自分の求めていた「意識高い系の海外志向」というものが遮られ、それらコンテンツの存在感も他のコンテンツに埋もれて希薄となったのであろう。

 

メディアの成長。それは初期ファンにとっては喜ばしくもあり悲しくさせることもあるのだろう。例えば以下のようなものだろうか。

「わたしはね!AKBを結成時から応援しているのよ!あんたみたいなニワカとは違うのyo!!」

なんて鼻息を荒くしている女の子がいた。まるで我が子が有名になっていく、いわく表現しがたい感慨というものがあるのだろう。しかしほどなくすると、

「わたしはね!あんな衆愚政治のように大衆受けばっかりするAKBが気に入らないわ!秋葉原の劇場の、あの牧歌的だった立ち上げ期を知ってる身として、見るに堪えないわ!じゃんけんなんかで…」

と大げさながら失神寸前にまで恨み節。

 

ここまではいかないにしろ、自分のTABILABOに対する感情はかつてのそれとは様相を異にしているのは明らかであった。

もう、自分の求めるコンテンツはTABILABOに期待できないかもしれないし、そもそもあの熱狂が「メディアの成長」と引き換えに、初期のコンテンツの軸もろともどっかに飛んでしまったかのようだ。

 

まとめ 

ブログも広義のWebメディアであることは間違いない。TABILABOに対する関心が薄れた理由は「コンテンツの軸が変わった(ジャンルが広くなった)」「それらコンテンツを必要としなくなった」というのが大筋の答えだろう。だとしたら、自らのブログの運営についてもなんらかの教訓が導けるのではと、危機感と焦燥感に苛まれている。

自分のブログはもっとジャンルを絞り込むべきなのだろうか、はたまた今のままというのが、ちょうどいいジャンル幅なのだろうか、このような悩みだ。

ブログを始めてそろそろ3ヶ月ほどが経過する。一度己の足元を固めて、方針を見つめ直すいい機会なのかもしれない。その前に久しぶりにTABILABOを覗いてみたい気もしてきたが、記事の内容と反していて躊躇われるが如何せん。

 

ちなみに、とある記事に示唆深い文言が掲載されていたので薄れゆく記憶の限りこれで結びたい。

 

 

あなたのブログメディアにチャンスが訪れました。次の二つのグループを選べるとします。10万人の新規ユーザーか10人の熱狂的なファンです。さあ、どちらにあなたのサイトに訪れてもらいたいですか?

 

 

 

 

俺ならどちらにも来てもらいたいなあ