東京フルスロットル

英語と地理と歴史を駆使したコンテンツが好きだったんですがもう仕事に毒されてしまったのです。

僕がブログを書く一つの理由は大好きだった元カノへの未練

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友人「何でデザイン頑張るかって?思いを遂げられずに別れた元カノがいてね、いつかあの子が、俺がデザインしたサービス、使ってくれたら最高じゃん?他に元カノに何か届けるための手段が俺にはない。多分復縁も無理だ。そして俺にはデザインしかない。だから俺は立派なデザイナーになって、あの子ですら使うような超イケてるサービスを作るんだ」

彼からこの話を聞いたとき、どうして僕がブログを書いているのかの理由がかなりくっきりした。それは、こんなコンテンツでもいつかは元カノの元へ届いてほしい。そんな未練がましくも淡い希望とを乗せて今日も僕はブログを更新する。

しかし、僕のブログコンテンツの全てがそうした目的を達成しうるかと問われれば、必ずしも肯定するのは難しい。それは僕自身が執筆や情報収集を楽しむためでもあるからだ。それでも、このブログ自体が元カノへの想いを込めないわけにはいかないのだ。

 

奇行を繰り返してはサイコパス的側面を覗かせていた僕に対して、あの子はいつもこういうのだ。「あなたはとんでもないバカに見えるけど、もしかしたら大物になれるかもしれない」そんな言葉をひたすら聞かされていた。

いざ別れるとなって、僕は始めて彼女の存在のデカさを気付かされた。「体の半分が失われる」なんて形容されがちなあの感覚。それどころじゃなかった。もう何もかも、僕が信じ実行していた行動の根拠が、もろくも崩れ去り廃墟と化す。がれきひとつすら残さないそのパラダイムシフトらしきは、たかが大学生一人を絶望の淵に陥れるにはあまりに強大であった。

別れて数週間が経ってもほぼ毎日あの子の夢が僕を悩ませていた。夢に出てくるあの子はいまも捉えようがなく、目が醒めるたびに脳裏にわずかな心地よい残像が妙な感覚を残していく。別れたあの日から、おかげで1日たりともあの子のことを忘れたことがない。僕の中のあの子との日々はいまも美化を繰り返しているであろう。

 

話を戻したい。

彼女に「もしかしたら大物になるかもしれない」と言ってもらえたこと。これだけが、別れたあの日から僕を支え続けてきた。彼女は何にでも全力で取り組む努力家であった。僕は彼女が取り組んできたであろう、スノボ、写真撮影、海外旅行、ゴルフ、料理、これらに果敢に挑戦してきたつもりだ。どれもこれもありきたりでつまらないものだ。

なんでそんな愚かしいことを。なんでできもしないことを。結局大成しなかったんじゃないのか?自分の中での答えはネガティブであった。僕は、彼女が大事とするもの、好きとするものに、ほとんどまともに向き合わなかった。それでも彼女は、僕が熱中していたものに理解を示し、あまつさえ協力さえしてくれたのに。いまではとても遅いかもしれないが、彼女が大事にしていたものとちゃんと向き合ってみたかったのだ。

ただ、ただ、彼女ともう一度会えたとき、自分はすっかり変われているのだろうか?あの時別れて以来、足を止めてやいないだろうか?自信を持って彼女と対面できるだろうか?僕は何かにぶちあたる時、いつもこんなことを思わずにはいられない。どうしても、あの頃の僕を変えたい。

だって「あなたはもしかしたら大物になるかもしれない」なんて言われたら、あんな素晴らしい子にくすぐったくなるような言葉をかけられたら、何もせずにはとてもいられない。だから僕は、「彼女だったらどう思うか?」「彼女だったらこんな反応をするだろうか?」なんて、目の前にも、自分の近くにいるはずのない誰かの顔を思い浮かべるのであった。

 

僕の行動の大半は、あの子と会った時に恥ずかしくないように、何かおもしろおかしく話してあげるため、あの子の満足げな表情をみるため、そんなバカらしい目的の上でなされている。それがたとえはてなブログであろうとも、変わらない。このブログから発信された情報が、めぐりめぐっていつかは彼女に届くように。きっとこのクソみたいなコンテンツ、あいつみたいな奴なんだろうな書いたのは。そう思ってもらえれば、きっと僕は満たされる。

 

友人がデザインを選んだ。でも僕は必ずしもブログを選ぼうとは思わない。僕がデザインのいろはも分からないから、ブログの影響力が微々たるものだから、そんな理由ではない。彼女にリーチするありとあらゆる手段を、あらゆる方法を駆使して試みたいだけだ。どうしたら彼女に近づけるのだろうか。どちらにしろ現在の僕に力はない。

僕らが別れた理由は時間の経過とともに少しずつ自覚が強まる。どう考えても僕の方に原因があったのは明らかであった。考えれば考えるほど、あの子が見せた悲しげな表情や、我慢の数々の輪郭が浮き彫りになっていく。

 

僕がブログを書く理由はくだらない。ブログを続けるのは気分転換でもあり、大好きだった元カノに、「これはね、もしかしたら大物になるかもしれない、あなたへの投資なんだから。投資家のリターンに対するプレッシャーはやばいんだから」として美味しいご飯や贈り物をよこしてくれたあの子に、僕をご両親に紹介してくれたあの子に、ちょっとした背伸びした姿を見せたいがためなのだ。