東京フルスロットル

英語と地理と歴史を駆使したコンテンツが好きだったんですがもう仕事に毒されてしまったのです。

未来の話をする人と、過去の話をする人、いませんか?

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「お前といると、先の話ができる。」

なんのことだろうと思って、僕は友人の顔を覗き込んだ。

「だから、未来の話ができるんだよ。次の仕事とか、これからどうなるとか、結婚はとか。」

 

なにを当たり前のことを言っているんだと思い、ぽかんと友人を眺めていた。

だいたい「先の話」だとか「過去の話」に気を向けたことなどなかった。

 

「あのな、意外と少ないんだぞ、先のことを話せるやつって」

「みんな20代も半ばに入るとさ、高校がどうだ、大学がどうだ、入社した時はって、まあまあ過去の思い出ばっかりしたがるだろ?」

「それはそれでいいんだけど、会うと毎回同じ話題になるコミュニティはないか?」

 

心当たりがあった。

中学生のときのコミュニティで集まると、だいたいそうなる。

それが悪いとは思わないけど、なんとなく違和感はあった。

 

その違和感は、きっとこんなもんだろう。

目の前のやつとの話題に困ったゆえに、しかたなく自分たちの共通項を手っ取り早くつっつくってもの。

そんな単純なものでもないのだろうか。

そもそも自分の理解を超えている。

 

「いや、それもあるんだけど、背景とかって正直どうでもよくって」

「なんていうか、もうその時すでに価値観の違いみたいなのが感じられるんだよな」

 

それを聞いて、僕は少しだけ寂しい気がした。

価値観のちがい。これほど漠然とした残酷な言葉は他に思いつかない。

代表的な別れ言葉のひとつとも思える、僕としては二度と聞きたくもないフレーズ。

 

価値観の違い。

「未来」と「過去」のどちらが話題にのぼりやすいか。

 

そういえばこんなツイートがあった。

 「価値観の違い」がなんたるかを示すごくごく日常的な例。

「音楽性の違い」と「価値観の違い」の類似性。

このツイートこそ、解散寸前の音楽グループに授けし語彙の一例かもしれない。

 

 

価値観の違いとは何か。

自分たちは何に重きを置いているのか。

少なくとも話をしていた友人は、後ろを振り返ることはなかった。

 

「なあ、もしお前が本当に宇宙で暮らすならさ、俺も訪ねていいか?」

 

またこいつは「先の話」をふっかけてきた。

しょうもないやつ。

しかも宇宙で暮らすだなんて、考えようによっては地球に暮らしている段階で宇宙にいると揚げ足を取れる。

国際宇宙ステーションを宇宙とするのか、それとも別の惑星があったとして、そこを宇宙とさすのか。

意地の悪い茶々が泉のように湧いてくる。

これだから「先の話」の「仮の話」はおもしろいんだなあとしんみりした。

 

僕は、大歓迎はしないけど、小歓迎はするとかなんとか適当にあしらうと、

 

「そしたら、一時的に住むとこ決めておいてくれなきゃこまる」

 

なんて言ってのける友人。

 

それはイーロン・マスクの仕事ではないのかと反論してみる僕。

 

先を見つつも堅実な計画を好む彼は、いつも注文が多いのもご愛嬌。

来年は「先の話」に足をとられないようにしたいものです。